2007/4/10 Tuesday

復活したライダーは峠を目指す!!

Filed under: スポーツ・アウトドア・車 — taka @ 14:29:28

今から20年前、箱根の峠は小僧(若者)ライダーの聖地だった。

しかし、今、箱根の峠で小僧ライダーを見かけることは稀である。

なぜなら、今の若者はほとんどシティ系ビッグスクーターにしか乗らないからだ。

そして、20年前に小僧ライダーだった者たちは年月を経て中年ライダーとして復活した。

ある者は子育ての一段落とともに昔乗っていたバイクのエンジンに再び火を入れ、

ある者は若い時には手に入れることが出来なかった、時速300キロも出るバイクを手に入れたのだ。

 

 

嘘だと思うなら、休日の朝早く箱根の大観山SAに行ってみるといい。

サーキットかと思うほどの数のバイクとともに中年ライダーを目撃することが出来るはずだ。

そして、一ヶ月に1回くらいは、そこに私、takaの姿を見つけることも出来るに違いない。

 

 

大観山に行くまではほとんどの者が、ターンパイクを使う。

ここは登りの高速コーナーが連続したワイディングロードある。

多くの者は、死亡事故発生現場をいう、いくつかの鋼鉄の墓標に心の中でレクイエムをつぶやきながら、さらにアクセルを回すのだ。

 

 

大観山からはいくつかの峠道に分かれる。

低速コーナーを得意とする者は椿ラインへ下り、低、中速コーナーを得意とする者は芦ノ湖スカイラインへ、そして、中速コーナーを得意とする者は伊豆スカイラインへとステアリィングを向ける。

 

 

私はいつも、ここから伊豆スカイラインの亀石峠サービスエリアまでノンストップで走ることを日常としている。ここのワイディングロードはとにかく長いのが特徴だ。大観山から亀石峠までは15キロもあるだろうか・・・。

私はGSX-R1100の心地よいエンジンの咆哮を味わいながら、右へ左へと車体を切り返す。

排気量の大きいバイクはこの峠では2速と3速だけを使えばよいので楽だ。

400ccのバイクではこうはいかない。

 

 

しばらくすると、バックミラーに後方から追い上げてくるドカティのバイク集団が見えた。

いつもなら道をゆずるところだが、今日はエンジンの調子がすこぶるいい。

まるで、GSX-Rがわたしにバトルをうながしているかのようだ。

そうか、お前はイタ公のバイクとバトルがしたいのか・・・。

 

 

アクセルをひねるとGSX-Rは軽くフロントを上げながら怒涛の勢いで加速していく。

すると、後ろにいるドカティ集団も追尾式ミサイルのようにスピードを上げてきた。

ドカティ集団の先頭を走っているのはモンスターという名前のバイクである。

その名のとおり怪物じみた加速が可能なクレイジーバイクだ。

ライダーはめずらしく小僧(若者)ライダーである。

 

 

私はコーナーでリーンインの乗車姿勢をハングオンに切り替えて、さらにアクセルを吹かした。

GSX-Rは最高出力145馬力のパワーを搾り出すかのようにエグゾーストノートを峠に響かせる。

私は連続中速コーナーを右へ左へせわしなくイン・ベタで走り続けた。

通常、コーナーはアウト・イン・アウトで抜けるのがスピードを出すためのセオリーだとされている。モンスターに乗っているライダーはイン・ベタで走り続ける私を見てくみしやすい相手と思ったことだろう。

 

 

「シュルルルル、ドガーン!」

後方を見ると先頭を走っていたモンスターがコーナーで滑って反対車線の側溝に落っこちていた。

ドカティ集団の連中は心配そうに、モンスターに乗っていたライダーを側溝から引き上げていた。

私もバイクを降り、救助に向かった。幸いライダーにたいした怪我はないようだ。

 

 

「このあたりのコーナーは外側(アウト側)に砂が浮いてるんだ。だから、アウト・イン・アウト

で走るのは危険なんだよ」

「そうなんですか・・・」

モンスターに乗っていたライダーは苦痛と失意に顔を歪めながら、つぶやいた。

 

 

彼がこれに懲りてバイクから降りてしまったのか、今でもバイクに乗っているのかはわからない。

年をとってからでもいいから、またこの峠に戻ってきてくれればいいと思っているだけである。

峠に集まる多くの中年ライダーたちがそうだったように・・・。

2007/3/27 Tuesday

若かりし頃、私は鳥だった・・・。

Filed under: スポーツ・アウトドア・車 — taka @ 11:40:24

編集局長のtakaです。

今回はわたしが若かった時にハンググライダーで空を飛んでいた話をします。

25〜26歳頃の話ですが、3ヶ月くらい朝霧高原のスクールに通ってライセンスを取りました。

最初は10メートルくらいの丘から滑空の練習をします。

スロープ状になっていますから、墜落しても大怪我することはありません。

しかしハンググライダーの重量は20キロ以上、担いで丘の坂を上るのは本当に大変です。風が吹いた時には身体ごともっていかれてしまいます。この丘の上の教習が終わるとA級、B級のライセンスが取れます。B級のライセンスが取れると、いよいよ本格的なフライトに挑戦できます。  

私が通っていた朝霧ハンググライダーの使っていたフライト台は、50メートルくらいの崖にフライト台が突き出ているという超過激なもの。はっきり言ってフライトに失敗したら即、死にます。事実、そこで亡くなった人もいたと聞きました。

向い風を待って、向かい風が来たら合図とともに飛び出すのです。その時、飛び出すスピードが速ければ速いほど失速の危険はなくなりますが、そのかわり、足が絡まってコケてそのまま崖から落ちてしまう危険性は高まります。  

 空の上は本当に気持ちいいですね。
飛んでいると地上であったイヤなことはすべて忘れられそうです。ただし、スピード感というのはほとんどありません。上空に浮いている感覚です。風を切るハンググライダーの音と地上から指示する無線の声だけの世界です。8の字を描きながら徐々に降下していきます。 ハンググライダーはうまい人になると、サーマル(上昇気流)をつかまえてどんどん上空へ昇っていくことも可能ですが、そうなるにはかなり練習をつまなければなりません。まずは、指定された範囲の場所に着地することが第一です。 

初フライトから3年くらいたった時です。

もうだいぶ慣れて気が緩んだのか、着陸する時に指定されている場所からかなり離れて畑に突っ込みそうになっていました。畑に突っ込んだら踏んづけた作物を弁償しなければなりません。
その頃、私は貧乏だったので焦って
無意識の内に三角バー押してしまいました。すると、突然、突風が吹き、私は上空30メートルからきりもみ状に墜落していきました。  運よく機体は林の上に落ちたので、かすり傷ですみましたが、地面に落ちたら間違いなく死んでいたでしょう。後で教官に訊いたら、バーを押したので対空速度が遅くなり片翼失速したのだと言われました。  

   墜落していた本人は墜落している意識がなく、突風が吹いたとしか感じないところが不思議です。  それ以来、怖くなってハンググライダーはやめました。朝霧の倉庫にはいまだ私のハンググライダーが眠っているかもしれませんが・・・。  

体重が軽かった若い頃のお話です。    

 

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