若かりし頃、私は鳥だった・・・。
編集局長のtakaです。
今回はわたしが若かった時にハンググライダーで空を飛んでいた話をします。
25〜26歳頃の話ですが、3ヶ月くらい朝霧高原のスクールに通ってライセンスを取りました。
最初は10メートルくらいの丘から滑空の練習をします。
スロープ状になっていますから、墜落しても大怪我することはありません。
しかしハンググライダーの重量は20キロ以上、担いで丘の坂を上るのは本当に大変です。風が吹いた時には身体ごともっていかれてしまいます。この丘の上の教習が終わるとA級、B級のライセンスが取れます。B級のライセンスが取れると、いよいよ本格的なフライトに挑戦できます。
私が通っていた朝霧ハンググライダーの使っていたフライト台は、50メートルくらいの崖にフライト台が突き出ているという超過激なもの。はっきり言ってフライトに失敗したら即、死にます。事実、そこで亡くなった人もいたと聞きました。
向い風を待って、向かい風が来たら合図とともに飛び出すのです。その時、飛び出すスピードが速ければ速いほど失速の危険はなくなりますが、そのかわり、足が絡まってコケてそのまま崖から落ちてしまう危険性は高まります。
空の上は本当に気持ちいいですね。
飛んでいると地上であったイヤなことはすべて忘れられそうです。ただし、スピード感というのはほとんどありません。上空に浮いている感覚です。風を切るハンググライダーの音と地上から指示する無線の声だけの世界です。8の字を描きながら徐々に降下していきます。 ハンググライダーはうまい人になると、サーマル(上昇気流)をつかまえてどんどん上空へ昇っていくことも可能ですが、そうなるにはかなり練習をつまなければなりません。まずは、指定された範囲の場所に着地することが第一です。
初フライトから3年くらいたった時です。
もうだいぶ慣れて気が緩んだのか、着陸する時に指定されている場所からかなり離れて畑に突っ込みそうになっていました。畑に突っ込んだら踏んづけた作物を弁償しなければなりません。
その頃、私は貧乏だったので焦って無意識の内に三角バー押してしまいました。すると、突然、突風が吹き、私は上空30メートルからきりもみ状に墜落していきました。 運よく機体は林の上に落ちたので、かすり傷ですみましたが、地面に落ちたら間違いなく死んでいたでしょう。後で教官に訊いたら、バーを押したので対空速度が遅くなり片翼失速したのだと言われました。
墜落していた本人は墜落している意識がなく、突風が吹いたとしか感じないところが不思議です。 それ以来、怖くなってハンググライダーはやめました。朝霧の倉庫にはいまだ私のハンググライダーが眠っているかもしれませんが・・・。
体重が軽かった若い頃のお話です。
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