2007/11/29 Thursday

スターバックス。その愛と憎しみの果て

Filed under: 近況・その他 — doku-kinoppy @ 13:41:45

茸です。

私はどこかの店の常連になる、というのがダメでして。

家族や友人の行き付けの店に連れて行って貰うのは良いんですが、自分が常連扱いされるのがどうにも肌に馴染まないのです。
「いよっ、久しぶり!」
とか
「最近お見限りだったじゃない」
などと言われるのがプレッシャーなんでしょうか。いや実際、そんなになるまで店の人と親しくした事もないので上記のような台詞を言われたことなぞ無いのですが、想像するだけで鳥肌が立ちます。

昔、オープンしたての飲食店に連れと二人で行った時、帰りしな店の人がわざわざ出入り口まで出てきて
「またいらして下さいね〜」
と満面の笑みでお見送りしてくれました。
その時、ちょっとこの店ヤバイな、と直感したので暫くの間行かなかったのですが、半年くらい間が空いてもういい加減いいだろうと思い再び行ったとき、注文を取りに来た店の人が言ったのです。
「今日はお一人なんですね」

それきりその店には行ってません。

別に店の人は悪くないんだけどさぁ…。

店に行く目的は人それぞれですが、私は他人の中で全くの独りになるのが好きで、周り全部自分のことを知らない中に身を置きたくて店に行くので、特に一人で行っている時は完璧に一人にして欲しいのです。
店にフレンドリーさは求めていない。

だから、味は好きでも店の人がすごくフレンドリーなのが気重で行かない店とかたまにあるんですが、まあそんな私でもよく行く店はあるわけで、例えば近所のテイクアウト専門の巻き寿司屋なんかここ十何年、月1〜2回の割合で行っています。え〜、14年×月2回として336回は行っている訳ですが、その店の老夫婦はいっこうに私の顔を覚える気配がありません。寿司のガラスケース越しにものすっごい近くで会話してんのに、です。いつ行ってもニコリともしないどころか眉間にラオウの様な深い皺を刻んだ割烹着に姉さんかぶりのおばさんが、毎回同じ事を聞いてきます。
「切りますか?」
「切って下さい」
毎回同じ事を答えます。
おじさんはおじさんで、私が何度言おうが醤油の小袋を入れ忘れます。あんまり毎回なので、極力醤油の小袋を減らしたくない、おじさんの備品節約術なのかもしれないと最近は思っています。
そんな愛想のない老夫婦が居心地よくて、私はその店に通い続けているのです。

ところが、ラオウが30回に1回くらい急に話しかけて来ることがあります。
内容は大体、
「今日寒いね!」か
「今日暑いね!」の2種類です。

いつも前置きなく急なので、話しかけられるとビックリします。しかも話しかけてくる時も、ラオウは決して笑顔は見せません。
「は、え、ええ、寒いですね(もしくは暑いですね)」
会話がそれ以上続くこともありません。
それに、それも、私だと認識して話しかけているのか、相手が誰だろうが寒い、暑いと思ったから急に寒い、暑いと言いたくなっただけなのか、判別できません。
そんなおばはんにハートは鷲掴みです。

さて、そんで最近の悩みは毎朝立ち寄るスターバックスの店員なんですが、あの徹底したマニュアルときたら。あいつら笑顔ですがその笑顔は機械の笑顔です。いやそれは全然良いんです。今までの話の流れからしても、そこに文句はないのです。むしろ心からの温かい笑顔なんか向けられた方が困るんで、そりゃ全然良いのですが、困ってんのはその質問の多さです。

以下、スターバックスからの質問事項。
・注文は何か
・ホットかアイスか
・サイズは何か
・ここで飲むのか持って帰るのか
・カフェモカでホイップクリーム抜きの場合、泡のミルクは乗せるのか乗せないのか
・持って帰る場合、紙袋は要るのか要らないのか

ここまでは最低事項で、もっとある時は
・飲み口は塞ぐか

などのオプションもつきます。

これが…このやりとりが毎回嫌で、もう最近は大体カフェモカなんで
「カフェモカホットのショートでテイクアウトでホイップクリーム抜きで泡のミルクは乗せて下さい。紙袋は要りません」
と、ここまで店員に口を挟ませない勢いで一気に言い切ります。そこまで言うと息切れするので一息吸ったこのワン呼吸の間に
「飲み口は塞ぎますか!?」
と言われると、私の負けです。
言われない時は勝ち。

しかし、こんだけ毎日同じ時間に来てるんだから、服装も大体同じような格好なんだし、いい加減私だって分かってもいいはず。カフェモカの私ですよ!見覚えあるでしょ!常連ですよ!?

…はっ…!
なんという事でしょうか。あれだけ常連を否定していたこの私が、自らそれを主張するとは。

この切ない感じはアレです。恋です。追いかけても追いかけても私なんかあなたは見てくれないのね。
私なんか私なんか、大勢の取り巻きの一人でしかないのね。何回
「先輩、おはようございます!」
と言ってみても、
「やあ、おはよう。君、新入部員?」
って、言われちゃうみたいな。いいえ先輩、私、ずっと前からここの部員ですけど!スター・バックス先輩!!

世の中の常連になりたい人の気持ちが今少し、解ったような気がします。みんな、恋をしてたのですね。
この恋の決着はどう着くのでしょうか。永遠に片思いのまま?それとも常連と認められて晴れて両思い?それは解りませんが、ただ一つだけ言えるのは、もし今後スターバックスの店員に
「あ、いつものですね?」
と言われる日が来たならば、次の日から私はエクセルシオールに通うようになるでしょう。
結局、そうなったらなったで興醒めするっちうか。やっぱ店とはほどよく他人行儀でいたいですばい。→最初に戻る。

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